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2019-12-01

ミシンで指を縫う

どんどんと短く。海の近く今年も紅葉のない秋。

鈍い音がしてミシンの針が折れたのだ。と…同時に左の人差し指にずんと走る重い衝撃。

ミシンは時にダンスのような心地よいリズムを刻む。生地が何故だか吊れて糸調子を変え、ほどいては縫い直すを繰り返せばリズムもテンポも悪くなって、嫌々してるんだろうなぁ…ってミシンが思うのは無理もない。ネガティブな感情ってモノにも伝わるものだしね。

凍える雨は止みそうもない。コーデュロイボトムの裾が少し長く、微妙に引きずりそう。めんどくさいけど直してしまおう。たいした仕事じゃないし。…そんな気持ちの時、負のスパイラルにハマるもの。もうすこしで終わりなのにズレてる。ほどく、縫うを繰り返すうち変に意地になる。ミシンの扱いも荒っぽく。そんな時のこと。

ミシン針が斜めに貫通してる。

人差し指の爪の左端から斜めに指の浅いところまで貫通。針先が出てる場所をしげしげと確認。ぷっと浮いてそのままの小さな出血。不思議に痛みなく。(⬆︎アドレナリンが出ているので痛く感じないのだろう…とお医者さん曰く)

「アレ」で抜けるのでは?と取り出した「コレ」

アジとか鯖の「骨抜き」プロ仕様。

地鎮祭での鯛を丸ごと「どうにかして~」と義姉から渡された鯛。硬くてキラキラ飛び散る綺麗なウロコと頑丈な骨…あれは大変だったなぁー

刺さった刀を抜くと、どうなる?…血が噴き出るスプラッタ。

このままじゃ運転できないし、抜こうと決める。針先は滑りそう。折れたアタマを骨抜きでつかむ…そろり引き抜く感触は鯖の骨を抜くのに似て。

さて、抗生剤の軟膏塗った。絆創膏貼った。抜いた針と折れた針をセロテープにくっつけて病院へ電話。

「ミシン針貫通の件」…かなり厄介なのだ。以下 ミシン針刺した際の備忘録として…

針が錆びている場合

救急外来でレントゲン ⇨ 切開(折れた針が残ってる場合)⇨ 抗生剤点滴の半日コース

不幸中の幸い(…わたしの場合は‥)

*ミシン針は替えたばかりの新品

*血管と神経(太い)を触らず、骨にもあたらず

「自分で針抜いたの?度胸がいいなぁ…次は抜かないでね」とお医者さま

ええ、もちろんです!次はないです‼︎

この程度で済んだことに安堵と感謝。大きな病気やケガが起こる時、何か消化しきれないものを抱えていませんか…とはよく言われること。心ここにあらずになってる。何かが心に棲み着いている時とも思います。ふん!大きなお世話よ…という時もあるけれど、ぞんざいで荒っぽい身のこなし…自分を省みるにじゅうぶんな出来事です。

優先順位をつけて先ばかり見て事を片づける日々を過ごして、ふとカップを置くしぐさにも柔らかさがないことに気づく。縁のあるモノ達との毎日。モノであっても愛をこめて丁寧に。いまできる、今だからできることも少しずつ積み上げて。

勉強する時間つくる努力、続ける体力も必要。。海、走るかな。

月は薄い三日月に。
秋はそっと去ってゆく。
今日から師走。
松下政経塾の鐘楼 「黎明の塔」
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