2019-12-21
冬のにおい
冬の香りは気配でしょうか。香りというより薫り。澄んだ冷たい風が頰に触れる。灯油の燃えた残り香がそこはかとなく漂ってくる。嗅覚じゃなく肌で感じとる。冬には「におい」がなじむ。
冬は香りのない季節といわれます。温度が下がると嗅覚の働きが落ちて香りを弱く感じ、湿度が低くなれば匂いの成分が広がりにくい。お茶の葉や珈琲豆が古くなったわけでなく季節や環境で体調が変わる。嗅覚は繊細なのですね。
で、私の嗅覚、落ちまくってます。風邪、長引いてます。香りのない生活は目に映るものの輪郭を少しずつ崩して色が褪せるような毎日。あれもこれもどうでもいいんじゃないかなぁと思ってしまう。音も音楽も恋しいと思えない。食べたいものも浮かばない。あぁ美味しい!とは香りあってこそ。
欲が削ぎ落とされてゆく…このかんじ、高齢者の感覚じゃないだろうか。自然にたどる道ならば、鼻を効かせて生き抜こうじゃないのと…やっと回復してくれば思うわけですが。
においは直感で感じるもの。人も動物であると。心を動かされ奪われる。匂いは生きてるって思わせるもの。
心を動かす何か。期待させる何か。これを色気というのなら、なぜだか惹きつけられてしまうことには理由なんかないのでしょう。
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