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2019-01-10

出発の時を告ぐ

元日 朝月夜 薄花色の空と三日月

楓、柳、いちょう樹々の葉はすべて

一度地に還ってもふたたび新しい芽ぐみのしたくをはじめる。

新年は私共にまた鮮らしい出発の時を告げる

樹々のように

私共も亦何を望み芽とするか… 永瀬清子

もの心ついた頃から年末は母の故郷日光、祖母の家でのお正月でした。

雪は降らないけれど寒い。 凍るようにぴりりと冷たい。 掘りごたつに従兄弟たちと座る。

足がぶつかったって遠慮なんかしない。ちょっと肩すくめたりして。 思い出の中におせち料理はない。

なにが並んでたのかな…

田舎の家庭料理は膨大な手間をかけている。山椒やフキ煮、揚げパン、茄子とピーマンの味噌煮は祖母から残された味覚。

料理をつくる台所は向田邦子のドラマにも似て祖母と母、叔母もよく働いて口もよく動いてずっと笑って楽しそうだった。

義父のいたお正月。

親族が集まってひたすら呑むビール。準備は年末料理マラソン。地元老舗のおせち料理が並ぶ豪華なお正月料理。

賑やかなのは同じでも台所事情が違う。育ってきた家の違いだろうか。

座ったまんまお客さまで誰も平気なんだなぁ。

ところが…だ。母に言わせれば

何を手伝ったらいいかどうか手を出せないと…ふむ問題は自分にあり…と知る。

義父も亡くなり、お正月は実家に。

米津玄師の蝋燭揺らめく「Lemon」

紅白見ながら母と鰊に昆布を巻く。 祖母の自慢だったゆばを煮る。 亡くなった近しい人たちを思いながら話しながら。

豪華なおせち料理なんてどだいあやふやなものだもの。戦後デパートの商業主義料理番組にのせられただけの。

日本の伝統のものを少し受け継いだのものと。これからはお雑煮とお餅でじゅうぶんね。

来年からはゆっくり過ごそう。

忙しい顔しないで母をせかしたりしないで笑うのんびりした時に。

心のこもる御節 美しく優しい 癌研有明病院

七草が過ぎて小正月、女正月。

やっとひと心地。

親しい人をおもう。

支度をはじめているのでしょう。

荒波は、きっとどこかで

待ち構えているでしょう。

乗り越えていく楽しさをまた聞きたい話したい。風は冷たいけれど暖かくて波も静かだよ。

新しい船出。

千葉港 出航前 元旦am7:57
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