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2022-01-11

天赦日とレポート

今日は、一粒万倍日、天赦日、そして干支の中で吉日とされる「甲子(きのえね)」木と水の運気の組み合わせ自然界の調和が図られ、流れが良くなる2022年でいちばん縁起の良い日だそうです。

'長く続けたい物事、この日から始めたことは良い流れを持ち長く続き、行動を起こすと運が良い流れになる'書き溜めておいたことなどを細々とですが、この日にあやかって少しずつでもブログ続けたいと思います。

昨年4月から「日本語教師の資格」をオーストラリアの通信教育で勉強しています。

英文でのレポート提出は英作文の勉強になると期待していたのですが、そんな甘いものではなくて、つたない英文ばかりがぐるぐる頭の中を回わり、やっとやっとビギナーコース終了、マスターコースにたどり着き'自己紹介と日本を紹介する文を書く'という第一回目の課題です。

『日本語を教える』という根底には、日本という国や文化をわかりやすく、より簡単な言葉で伝えることができなければなりません。日本人にとってはあたりまえのことでも、外国人に伝えることはとても難しい。こんなことさえ伝えられないんだなぁーと、自分の無知ぶりに笑っちゃうのですが、時間はかかってもめちゃくちゃ楽しい時間でした。

以下、自己紹介から日本文化の紹介です。

はじめまして。庄司朋子と申します。

わたしの名前の朋子の「朋」という漢字は「とも」と読みます。わたしも知らなかったのですが「みかた」という読みもあって'友達、仲間'という意味を持ちます。「朋友」という中国語には困った時にこそ助け合う’友’という意味があります。もしかしたら、わたしが人見知りせず年齢問わず楽しみながら会話するのが好きなのは名前に由来するかもしれません。

朋という字は月を2つ並べ、鳥の翼を表したものなのだそうで「鳳」(ほう)という吉兆とされる鳥の翼、空を司る神の使いで「飛翔」するとき巻き起こる風が由来なのだそうです。ふっと風のように旅に出たくなる衝動に駆られるのは字からのルーツに違いない!

ここからは日本について、この国の文化の素晴らしさをお伝えしたいと思います。

海外にいる時、わたしの感じる日本の良さのひとつは豊かで安全な水です。

江戸時代より日本人は水に対する扱いが慎重で、その頃すでに生活水と汚水が分けられていたそうで、明治になって日本を訪れた外国人からは「世界でも稀な清潔な都市」と驚いていたといいます。

小さな国という印象の日本ですが南北に3,300Km世界で59番目、人口は10番目の1億2千5百万人です。

南北に細長いため、寒冷から熱帯と地域により大きな気候差があります。

また世界一の活火山を有するため、大きな地震の被害が多いこと、火山性の温泉資源に恵まれていることも特徴のひとつです。温泉は古くより体を清めるだけでなく病気や怪我を治す神聖なものとして崇められてきましたが、近年は景観を楽しむレジャーとして、風情ある街並みを浴衣でそぞろ歩くなど海外旅行客からも人気があります。
複雑で変化に富む地形と気候を持つ日本列島は、その多様性により景観、食事、お祭りなど有形無形の変化に富んだ文化が大切に守られています。《どんと焼き…小正月(1月15日)に正月飾りやお守り、お札などを燃やす火祭り行事》

しかし国土の70%近くが山地や丘陵のため、今私たちが目にする自然の風景は「農」のために人の手で造られてきた自然であり生態系でもあります。

戦後の日本の食料自給率88%、農業と漁業中心の食生活でしたが現在は37%。戦後の急激な食生活の変化が要因と考えられています。

現在の日本は、都会であれば24時間食品も日用品も買うことができ、道路は狭く細いですが整備がされて電車やバスは時間通りに運行されます。交通法規は遵守されタクシーも親切です。窃盗が少ないため他の国では見られない自動販売機が設置されており、安全で便利で清潔な国です。

近年のコロナ感染者数が抑えられているのも、玄関で靴を脱ぐ習慣が関係しているのではないかとも言われます。

日本人は「人は自然の一部である」という独自の自然観をもっており、「春夏秋冬」それぞれの季節の移ろいに敏感で、古来より俳句や短歌、書物からも自然に親しみ、自然との共生を図ってきたことがわかります。

日本の建築を支えているのは木材です。古都といわれる京都、奈良など日本の各地には古代から中世にかけての多くの有名な神社やお寺があります。《元乃隅神社》

古代からのこれら文化遺産は、釘などの金属を使わず木組みだけで建築されたものも多く、修理を専門とする宮大工という技術職があります。

日本中どこへ行っても神社やお寺があり、お正月には神道の神社へ行って神様にお参りし、お寺では御本尊である仏像に手を合わせ祈り、キリスト教のイベントであるクリスマスを皆で祝うことに何の不思議も感じていません。

日本人の宗教観の特色として「八百万の神」という思想的背景があります。山や海、自然界に存在する川、木、岩、食べ物にいたる「八百万(やおよろず)」、数えきれないほどのあらゆるものに「神が宿る」という考えです。《遠野物語 卯子酉神社 うねどりさま 悲恋による恋の成就の伝承 》

農作や漁業を糧としてきた日本人にとって天災は神々の怒りであるという教えを受け入れ、厳しい自然に慄きながらも慈しみ生きてきたのです。「あらゆるものが神様」であり、どんな神様も受け入れてきた日本人は特定な宗派に属さない宗教に寛容な立場をつくってきたのかもしれません。

日本人は伝統を守る一方で新しいものを受け入れることに長けているといわれます。繊維産業中心だった日本が戦後目覚ましい経済の復興から自動車産業や精密機械工業などで経済大国になれたのは先進国からの技術と生産方法のコピーからはじまり、大量生産ができたからといわれます。現在は実用化できる研究ばかりを重視しているため、独自の技術を持つことがこれからの日本の課題になっています。

急激な高度成長期は社会生活が大きく変容し、日本人の持つ美意識よりも「物質的な豊かさ」が重視されました。平成に入り「物の豊かさより心の豊かさ」昔からの「伝統、文化、和、自然」などの感性を大切にしようという意識が高まっています。

また震災や度重なる災害により、高度成長期に失われてきた「他者を思いやり、周りの人々との関係を大切にするなどの『武士道』『菊と刀』に通じる「義理堅さ」「和の精神」「美意識」を重視するする人々が増えています。

どこの国へ行っても「和の精神」に通じるものが人の心に存在します。言葉が通じない国でも困ったことがあった時、「何かしてあげましょうか」という暖かい視線や行動は日本にいる時より人と人との距離感に親密な感覚を抱くこともあります。《植物の美しい共存 奄美大島 》

わたしは保育士として働いていましたので、旅先でその国で暮らす子どもたちとのコミュニケーションが大好きです。

物売や芸事の助手をしながら大人顔負けの値段交渉をする、そのたくましさ、伸びやかさ、生命力に圧倒され驚かされます。心身を鍛え、未来につながるものは学校教育だけじゃないのだなぁと思うのです。《象使いの調教師勉強中の子どもたち》

しかし日本にいる外国人児童はどうでしょう。日本語を理解して授業を受けているのか心配になります。大人でも海外で病気になった時や旅券の事務手続きなどが必要になった時、挨拶程度の英語では伝えることができません。子ども達にとっても「生活のためだけの言葉」を理解するだけでは勉強を理解することも社会で仕事につくことも難しいのではないかと思います。

私が日本語教師になりたいと思ったのは、日本の言葉を外国人児童に教えることで「言葉は知識」であること、勉強は「人生の土台」だということ、そのために日本語の理解を深めて学習の視野を広げて欲しいと思うのです。

たくさんのことを知ることは経験や知識を増やしていくこと。自分でやりたい事を自分で決めることにつながります。日本で暮らしていることを良かったと思ってもらえるように日本の文化や伝統も伝えていきたいと思います。

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