石と星の記憶
香深の港の東「メノウ」の原石が眠る浜があります。丸いすべすべした石ころたちがコロンと転がっている河原のような小さな浜。沖にあるメノウの岩礁から原石が打ち寄せられる。波の下には小さな石がひしめきあって、そこをザクザクと潮干狩りのように掘っていくのです。
小さな「らしきもの」をいくつか拾い上げた頃、「海が荒れた後は大きなものが流れ着くらしい…」と聞けば欲がでるというもの。強欲な人の本質が見えた時、みえなくなるのというのは世の常です。そのあとはさっぱり…
ご当地B級グルメ、ちくわにシーチキンを詰めた「ちくわパン」と羊羹がコーティングされてる「羊羹クリームパン」ずっしりと重い。儲け度外し。美味しい海の幸いっぱいだけどパン系に飢えてる。感動の美味しさにパン屋のおじさんと思わず握手!
漆黒の絨毯が広がる月のない夜。
目をつぶってひと息、もう一度見上げると小さな星たちが浮かんでくる。
見渡すかぎり満天の。
いっぱいの星。
星先を照らすLED pointer 振り上げると夜空にはスターウォーズばりの蛍光色の剣が舞う。
南の空高く、こと座のベガ。
天の川がみえる。向こうはわし座のアルタイル。これが会えそうで逢えない織姫と彦星。
しんしんと冷えてくる星先案内。上を向く首も疲れてくる。
ダンボールに寝転んで毛布にくるまって眺めたかったなぁー
ふと思う。
この星の光はいつのものなのだろう…たとえば白鳥座デネブ。
1600光年ほど隔てて今に見る光は200年頃オホーツク文化が栄えていた頃のもの。突然に消えてしまった幻の民族が目にしていた光。この地が日本の果てではなくて、大陸やシベリアとの交易が繋がっていただろう頃の。
すべて真実でなくても記憶は優しい。それは辛さを乗り越える小さな灯になるかもしれない。そして旅立ちを迎える頃、記憶は失うのではなく想い出を宝石箱にしまいながら準備をしているのかもしれないと、この頃の母を見ていて思うのです。