2019-10-02
美はタナカから
独特の雰囲気を放つミャンマー の女性たち。はじめて見る時、おどろきとタイムトリップにも似た不思議な感覚に陥る。
ほとんどの子どもたちと女性、都会から離れたところでは男性も老人も人々が顔にペイントを施している。
薄いベージュがかったクリーム色をおでこに丸く、頰に刷毛でスッとひと塗り、小さい女の子には木の葉の模様、太陽の下で働く女性たちは無造作にボテボテと厚塗りをする。
ミャンマー 500年以上続くオーガニック・ナチュラルコスメ「タナカ」といわれるもの。ミャンマー 語でタナ(Thana)は「汚れ」、カ(Kha)は「清潔」という意味にもなるけれど、実際は木の名前だということ。「タナカ」と「田中」、日本人の苗字に多いことを知るタナカ売りの女の子たちは嬉しそうに「これはタナカです」と言う。どうやら日本人向け売り文句の鉄板らしい。
柑橘系の木を専用の石で水と擦り合わせ乳白色のペースト状にして肌にのせる。「化粧品」というより強い紫外線から「肌を守る」クリームや乳液として家族みんなで使うのが一般のよう。皮膚に浸透させて保湿、潤いも与える。
熱帯の国、ほぼ365日の照りつける太陽から肌を守る。骨の髄まで染み込んでいる。
ロンジーを着てタナカを顔に施す…ミャンマー の風土に似合った風情を感じる伝統文化も外国製品の化粧品に押されているらしい。
この国にしかない美しさを感じるのだけれど。
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