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2019-11-05

1億5000万年前の記憶を辿る

礼文島は風の島。利尻富士と空の青。青色鮮やかな高緯度の空よ。冠雪したばかりと聞く。

「香深」という港へ向かっています。「カフカ」と読む礼文島の港。

北海道の地名はアイヌの言葉の音を漢字に当てはめるのだそう。音の響きには哲学的なニュアンス、色や香りも浮かんで言葉の森に迷い込むよう。

「深く香るカフカの港」

小さな高山の花々薫る初夏の港をうっとり思うのです…着いてみれば美しくちょっとガッカリな近代的な港。

礼文は晩秋。

葡萄のツル木、赤はこのくらいしかないのよ…と稚内の紅葉はひかえめ。そもそも木の育たない礼文島。300種の小さな花の咲く丘を、野を走りまわって寝転んでみたい。

氷雪の門 慰霊モニュメント サハリンの悲劇胸に響くよ…遠くサハリンを望む 宗谷岬

寒露の終わる頃から波は高くなる。稚内から利尻島へは90分、礼文島へは2時間。ゆらり揺られて横揺れ縦揺れ…まっすぐ歩けない楽しい酔っ払いもしだいにグルグル眩暈のように立っていられず、ただぼんやり船室に横になって窓から空をみる。

猫島…おわかりいただけるだろうか…かなりの猫背を演出しておりますが、雲の魚を狙っているのよ。

雲はゆっくりと流れてく。何もしない時は贅沢…せめてこの時ばかりは便利なものすべての電源を落として、風のささやきを、星をひろいにでかけます。

Northernmost of island

日本の最北端の島

おわかりいただけるだろうか…額縁のように澄まして座る野生の鹿とカラスの友情溢れる構図。

須古頓(スコトン)岬 むこうに海馬(トド) 島北限の岬 最北の地は宗谷岬 北緯45度31分22秒 正確な数字で覆る…礼文でなかったことに驚く(約6㎞の負け)日本の最北端って看板を礼文の人も出しちゃって未だそのままに…トドは島の形が似てるだけじゃなくてホントに大集結するんだって!

雪虫が飛ぶ季節を迎える。 ほわほわ飛んで冬を知らせる優しい虫という…そろそろ秋も終わる夕暮れは息を詰めるほどに美しい。

利尻島の夜は更ける…薪木が変えると炎も香りも変わる。夏が終わり裸の爪を暖める。あぁーねむい…桜の薪木は良い香り。

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