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2023-11-30

VIVANTな日々を

遠野にデンデラ野という姥捨の地があります。

60歳になると家を出てデンデラ野の小さな藁葺きの小屋に集まって自給自足の生活をして暮らしていたといわれます。
また、死者の霊が通る場所ともいわれています。
遠野市 遠野市土淵町山口

姥捨というと足手まといになった老人や自分の親を口減しのために山奥へ追いやるという陰惨なイメージがありますが、デンデラ野はむしろシニアハウスや高齢者向けシェアハウスのようなもので、いたわりあったり助けあって暮らしていた場所だったのかもしれません。

父がシニア施設に入居して1年半。

食事や掃除の心配なくなって適切な健康管理もしてくれるし、他人ともある程度のコミュニケーションを持ちながら快適な様子。

一泊外泊しても、そわそわと帰り支度をして施設に戻れば、なんだか安堵している。
すっかり施設の生活が気に入っているのだ。

ホームに入れられて可哀想だと思う人もいるかもしれないけれど、むしろデンデラ野に近いんじゃないかな。

そもそも幸せ感ってそれぞれなのだと、つくづく思います。

今の60歳はまだまだ元気であるけれど、明治の頃の平均寿命は42歳。

太平洋戦争中、出兵の時代の平均寿命は24歳。

誰もが60歳を迎えられるわけじゃなく、今だって衛生や医療などが悪くて平均寿命が60歳に届かない国だってあるのですから。

あとどのくらい元気で、そしてなにより健康でいられるだろう…

今までのようには無理が効かなくなっているとひしひしと感じるし、新しい挑戦のハードルが高く感じてしまう時もあるけれど、ふつふつと気力の湧くときもあるのです。奄美大島 セグウェイ 風を感じて スピード狂

還暦が元へ返って、いちからやり直すということなら、今までの人生のことを「一度引退したアイドル」のような気分になってみる。

この先をちょっと楽しく想像できそうです。

のとじまのアイドル「キューちゃん」カメラ目線
のとじま水族館

20歳の頃の一本気なエネルギーとは違うけれど、成果や見返りを思わず新しいことに挑戦できる未来がある。

あれこれと心揺れ動くことがあったとしても、ゆるゆるとねぎらって。

60歳おめでとう!わたしへ。
「 VIVANTな日々であれ」
Gorkhi-Terelj国立公園 Mongolian State
その未来は失われていない。生き延びるきみがいる世界がこの宇宙のどこかにあることを、いつだったか、きみは感じたことがあるんじゃないか。見知らぬ街を歩くときや季節の変わる晩なんかに。おやすみ。きみはきみの、また新しい十年を生きるのだ*暁方ミセイ「星林」*
Gorkhi-Terelj国立公園 Mongolian State
Hunter’s Moon
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